2006年01月16日

SIX / ソフト・マシーン 5

SIX

1. FANFARE
2. ALL WHITE
3. BETWEEN
4. RIFF
5. 37 1/2
6. GESOLREUT
7. E.P.V.
8. LEFTY
9. STUMBLE
10. 5 FROM 13
11. RIFF2
12. THE SOFT WEED FACTOR
13. STANLEY STAMPS GIBBON ALBUM
14. CHLOE AND PIRATES
15. 1983

MIKE RATLEDGE  ORGAN,PIANO,CELESTE
KARL JENKINS   OBOE,SAXES,PIANO,CELESTE
HUGH HOPPER    BASS
JOHN MARSHALL  DRUMS

1973

3RDと並んで最高傑作とされる事が多いのがこのSIXである。ジャズとの格闘と苦悩の果てに到達した境地とも言える。ジャズと良い距離感を保ちながらマシーン独自の立脚点に立つ事ができた作品である。この作品の痛快さ明快さは、SOFT MACHINE VOLUME 13RDと並ぶものであり、この3枚があればマシーンの事は大体理解できると思う。そして、メンバーの息の合い方とテンションがとても良い状態であった事は、前半のライヴ録音を聴けば十分すぎる程にわかる。
前作で天才的ソロイストのディーンが抜けて、ジェンキンスが加入しており、彼はディーンとは違いオーボエ奏者でありあまり技術的には吹かないタイプで、フワフワした軽やかなフレーズでエキセントリックさを演出している様ですらある。キーボードを操り、これまた力技ではなく曲の効果のためのバッキングを心がける構造的な部分での活躍が目立つ。また、マシーンの音楽に新たな解釈を持ち込んだりミニマル・ミュージックを大胆に導入するなどコンポーザーとしての才能も発揮している。
この事が、ジャズに深入りし過ぎた(?)マシーンを今一度もとのロックを軸にした地点に少しだけ近づけたような気がする。

<ALL WHITE>
前作の一曲目と同じ曲だがまるで別物。前作のテイクは、ジャズ的重量感があったが、このライヴテイクは、浮遊感がある。それは、ディーンのシャープなサクセロからフワフワのオーボエに変わったこと。
ペダルのハイハットでクールにリズムをキープしながらも、恐ろしい程の手数でタムやシンバルを鳴らしキックを的確に決めるマーシャルのドラムとホッパーのベースとのコンビが最高で、より自在さを感じさせるためであると思う。

<RIFF>
変拍子によるベースパターンとエレピのユニゾンを繰り返し、リフレインを形成するジェンキンスの作品。
元々ホッパーの曲などに有ったようにベースラインをリフ的に執拗に繰り返し、その上にアグレッシヴなソロが展開されるとある種醒めた熱気とも言えるマシーン特有の空気が作り出され、その出来上がった運動体をさらに底の方から牽引していく様な構造的スリルとは違い、テキスタイルとしてのリフを繰り返すメディテーション効果を狙ったものである。しかし、マーシャルは、そのクールなマテリアルの中でも表情豊かな(ぶっ飛んだ)ドラムを叩ける稀有な存在であるため、質は違うが醒めた熱気のようなものとスリルは見事に作りだされている。そして忘れてはならない事は、ラトリッジのアグレッシヴなオルガンソロが乗っかっている事。

<THE SOFT WEED FACTOR>
ジェンキンス作。完全にミニマル・ミュージックと言っても良い作品で、ジャズロックという部分では語る事は出来ないがプログレ的には大いに価値あり。エレピとチェレスタで紡ぎ出されたファンタジックなミニマル・ミュージックの中をゆったりとしたグルーヴが進行してゆく様は壮観で興奮と瞑想を同時に体感することの出来る大変ユニークな曲である。

<1983>
ホッパー作の冷たく、破壊的で抑揚の無い曲。これは恐らくマシーンへの葬送曲で、このアルバムを最後にマシーンを去ったホッパーの心情を表したものであろう。マシーンとは、ジャズ化即ち進化という虚構に本気で身を投じ、その中で覚醒またはアイデンティティーの確立を目指し、それに伴う葛藤、苦悩を作品にフィードバックするという事に意義があったグループだと思う。少なくともホッパーの作品にはその凄みが記録されている。そして彼は、ジェンキンス、マーシャル主導(二人とも元ニュークリアス)のもとにマシーンは根本的に変貌してゆくであろう力関係をすでに嗅ぎとっていたのだと思う。
僕もこの曲を聴くに至り、マシーンの終わりを理解した。当然これ以降のアルバムは上記二人の主導による素晴らしく完成度の高いものになる。マシーンを冠するのが相応しいかどうかは別として。

インパクト 100
テクニック 100
ポップ性   90
コンセプト 100
センス   100

Six


COWBELL

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「♪カステラ1番、電話は2番、3時のおやつは文明堂〜♪」初めてテレビに登場したのは昭和37年です。「電話は2番」になったのは、「肉は1番、電話は2番」と宣伝して、その味と共に評判になっている大阪のすき焼きの宣伝文句にヒントを得ました。カステラの文明堂は明治33年に長崎の地で創業しました


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