2006年05月13日

音楽性と活動の変遷 【黄金期】/イエス

スティーヴ・ハウが加わった「サード・アルバム - The Yes Album(1971年)」、リック・ウェイクマンが加わった「こわれもの - Fragile(1972年)」、続く「危機 - Close to the Edge(1972年)」がイエスのピークと言われている。 結成当初にアンダーソンとスクワイアが唱えていた「強力なヴォーカルとインストゥルメンタルの融合」で、未完の部分だった演奏面の強化は、このようなメンバー・チェンジによって遂行された。 ハウはロックのイデオロギーにとらわれない多彩なギター・プレイと優れた作曲能力を提供し、ウェイクマンは正式な音楽教育に根ざした理論と数多のセッションで培った確かな技術、最新のテクノロジー、それに派手なプレイと振る舞いでエンターテインメント性をバンドにもたらした。

サード・アルバム 」は、前2作での緩やかな変化とは明らかに違う急速な進歩が一聴して分かる。全てがオリジナル曲、10分近い大作、組曲形式。変拍子や対位法も盛り込まれ、プログレッシヴと呼ばれる要素が詰まっている。しかし決して難解ではなく、ポップでダイナミック、そして分かりやすい。 前作「時間と言葉」でエンジニアとして関わり、後々までイエスのスタジオ・ワークおよびステージの音響でも重要な働きをする事になるエディ・オフォードが、バンドとの共同プロデューサーとして参加したのも、変化をもたらした大きな要素の一つだろう。

こわれもの」はいくつかの優れたアンサンブルとメンバーのソロ小品で構成され、メンバー個々の多彩な音楽性と、それが融合したときの素晴らしさを堪能できる。バンド演奏はより洗練され、緩急織り交ぜた鮮やかなコントラスト、綿密に練られたアレンジ、新メンバー2人が奏でる印象的な旋律、より強力になったコーラスなど、多くの聞き所がある。また、アート・ワークに初めてロジャー・ディーンが起用された作品でもある。

危機」は全3曲というトータル・コンセプト・アルバムで、比類なき音楽性の高さと、緊張感に満ちた演奏が聴ける。 曲作りの舵を取ったのはアンダーソン/ハウで、他のメンバーも全員、作詞/曲/アレンジに深く関わっている。 また、エディ・オフォードのテープ編集技術が多大な貢献をした。 このレコーディング直後にブラッフォードはキング・クリムゾンに移籍し、ジョン・レノンのプラスティック・オノ・バンドなどで活躍していたアラン・ホワイトが加入する。 翌'73年にリリースされた3枚組ライヴ盤「イエスソングス - Yessongs」(ドラムの殆どはホワイト)で、イエス黄金期は締めくくられる。

こわれもの」「危機」の2作はイエスの最高傑作と評されている。この時期のメンバー、アンダーソン、スクワイア、ブラッフォード、ハウ、ウェイクマンの5人は30余年に及ぶイエスの歴史の中でも「最強のラインナップ」として語り継がれている。そして旧メンバーが再加入する事が多々ある現在までの活動の中でも、この5人のみで再集結した事は一度もない。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』



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progressive_rock at 02:26コメント(0)トラックバック(0)Yes  この記事をクリップ!

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