2006年08月01日

THE END OF AN EAR / ROBERT WYATT 4

1.LAS VEGAS TANGO PART 1(REPEAT)
2.TO MARK EVERYWHERE
3.TO SAINTLY BRIDGET
4.TO OZ ALIEN DAEVYD AND GILLY
5.TO NICK EVERYONE
6.TO CARAVAN AND BROTHER JIM
7.TO THE OLD WORLD(THANK YOU FOR THE USE OF YOUR BODY,GOODBYE)
8.TO CARLA,MARSHA AND CAROLINE(FOR MAKING EVERYTHING BEAUTIFULLER)
9.LAS VEGAS TANGO PART 1

ROBERT WYATT (DS,P,ORG,VO)
NEVILLE WHITEHEAD (B)
MARK CHARIG (CORNET)
ELTON DEAN (SAX)
MARK ELLIDGE (P)
CYRIL AYERS (PERC)
DAVID SINCLAIR (ORG)

1970

THE END OF AN EAR

ソフトマシーン在籍中に発表された、ロバート・ワイアットのソロ一作目。
このアルバムでのワイアットは、現在のような美しい歌を聞かせてもいないし、
マッチングモウルのようなカンタベリーロックとも違う。
ソフトマシーン以前に彼の試行していた事、『現代音楽とジャズの融合』に近い内容である。
当時彼がいた頃のソフトマシーンは、シリアスな音楽性へと急変していた為
そんなバンドへの不満もあり、「もっと自由でユーモラスな自分らしい音楽を作りたい」という衝動だけで出来上がったような作品である。
 
メンバーは、マシーンの仲間、ディーン、チャリグ、等も参加している。
彼らもワイアット自身も、マシーンでのプレイより数段フリーな演奏をしている。
ドラムプレイもパルス的なビートを聴かせるなど、他の作品のようなマックス・ローチゆずりのダイナミックなプレイとは違い、サニー・マレーのようなスタイルに近いものもある。
ドン・チェリーや、アルバート・アイラーのようなフリージャズを好きな人は
ソフト・マシーンよりもこのアルバムを好むかもしれない。
 
1と9は、ギル・エヴァンスの曲をワイアットのアカペラを交えながらカバーしたユニークな世界。
雑然とした音なので、とらえどころがないかもしれないが、聴く者によっては
刺激的な音楽であろう。
もう少し整理されていた方がよかったのでは?とも思うが、この散らかった感じが
ビートニクス的感覚とでも言うべきこの頃の彼の味なので、大目に見る事にしたい。
3〜5は、極上のフリージャズを聴く事ができる。
3の出だしのベースがとてもよい。
ワイアットのドラムもイカしているし、フワフワした口笛が入っていてとぼけた感じが面白い名演である。
4〜5の流れはやや硬質なインプロヴィゼーションで、ワイアットのドラムもパルスビートを聴かせ、チャリグとディーンのディープなやり取りのバックで鳴るホワイトヘッドのベースが渋く、ワイアットの実兄であるマーク・エリッジのピアノもよい背景となっている。
ワイアットはそんな空気の中を楽しそうにドラムを叩いている。
フリージャズが好きな方は必聴の曲である。

インパクト     80
テクニック     90
ポップ性      70
コンセプト     80
センス       100

(COWBELL)


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トラックバック一覧

1. Robert Wyatt - Rock Bottom  [ ロック好きの行き着く先は… ]   2006年08月05日 12:50
 元ソフトマシーンという肩書きすらも今や遠い昔、今のワイアットのファンはそのことを気に掛けない世代が増えているのではないだろうか。80年代を風靡したラフトレードレーベルから作品をリリースしたことで新た

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