マッチング・モウル
2007年02月04日
MATCHING MOLE / MATCHING MOLE
そっくりモグラ
1.CALOLINE
2.INSTANT PUSSY
3.SIGNED CURTAIN
4.PART OF DANCE
5.INSTANT KITTEN
6.DEDICATED TO HUGH BUT YOU WEREN‘T LISTENING
7.BEER AS IN BRAINDEER
8.IMMEDIATE CURTAINN
ROBERT WYATT Vo、Ds、MELLOTRON
PHIL MILLER G
DAVID SINCLAIR Org、P
BILL MAcCORMICK B
1972
71年にソフトマシーンを脱退したワイアットは、元キャラヴァンのデイヴ・シンクレア、元デリヴァリーのフィル・ミラー、元クワイアット・サンのビル・マコーミックとともにこのグループを結成した。
グループ名は、ソフトマシーンをフランス語にしてそれを英語読みにしたもので、そっくりモグラとなり、ジャケットには、二匹のモグラのイラストが使われた。
このジャケットは、カンタベリーロックが紹介される度に目にする筈であり、この作品をカンタベリーロックの代表作とすることに異論のある方はいないと思う。
逆にいえば、定義の難しいカンタベリーロックの象徴となりその定義づけの基準となっている作品である。
ソフトマシーンのシリアスなフリージャズ・インプロヴィゼーションへの偏重を嫌ったワイアットは、ロックの開放感や陶酔感とフリージャズの緊張感や過激さを自らの
ユーモラスな作品性と巧みに統合させたサウンドを作り上げることに成功する。
そしてそのサウンドは、この上なく甘美な陶酔感をもたらすもの、スリリングなインプロヴィゼーション、ミステリアスな音響系まで、ヴァラエティーに富んでいるが
それらは、拮抗することなく上手く溶け合ってアルバム全体を一曲のように聴かせる。
聴き所は、すべてと言いたいが、まず、ワイアットのドラムはもちろんの事、魅力的なファルセットのボーカル、(特に2のディレイをかけたスキャットが最高)静かなる破壊性を表現するようなメロトロン、デイヴ・シンクレアの甘美な毒を持ったオルガン、フィル・ミラーの個性的で癖になるフィンガリング。シンクレアもミラーも実に個性的で優れたアーティスト。
そして忘れてはならない事は、マコーミックのベースである。
彼はキャリアに於いては、他のメンバーよりも浅いが、ダイナミックでセンシティヴなラインでこの恐るべき化合物を同心円の中に封じ込めて一定の視点を与える、言わばバランサーのように重要な役割を果たしていると思う。
後年、彼が参加するイーノ、フィル・マンザネラ、サイモン・フィリップスとのグループ<801>でも同じような役割を発見できる。知名度はそれほど高くはないが名手である。
この作品は、ワイアットのキャリアにおいても極めて重要なものなので、ワイアットに興味のある方は、このマッチング・モウルの1stから聴いてみるのが良いと思う。
問題作にして歴史的名盤。
インパクト 100
テクニック 100
ポップ性 90
コンセプト 100
センス 100
COWBELL
1.CALOLINE
2.INSTANT PUSSY
3.SIGNED CURTAIN
4.PART OF DANCE
5.INSTANT KITTEN
6.DEDICATED TO HUGH BUT YOU WEREN‘T LISTENING
7.BEER AS IN BRAINDEER
8.IMMEDIATE CURTAINN
ROBERT WYATT Vo、Ds、MELLOTRON
PHIL MILLER G
DAVID SINCLAIR Org、P
BILL MAcCORMICK B
1972
71年にソフトマシーンを脱退したワイアットは、元キャラヴァンのデイヴ・シンクレア、元デリヴァリーのフィル・ミラー、元クワイアット・サンのビル・マコーミックとともにこのグループを結成した。
グループ名は、ソフトマシーンをフランス語にしてそれを英語読みにしたもので、そっくりモグラとなり、ジャケットには、二匹のモグラのイラストが使われた。
このジャケットは、カンタベリーロックが紹介される度に目にする筈であり、この作品をカンタベリーロックの代表作とすることに異論のある方はいないと思う。
逆にいえば、定義の難しいカンタベリーロックの象徴となりその定義づけの基準となっている作品である。
ソフトマシーンのシリアスなフリージャズ・インプロヴィゼーションへの偏重を嫌ったワイアットは、ロックの開放感や陶酔感とフリージャズの緊張感や過激さを自らの
ユーモラスな作品性と巧みに統合させたサウンドを作り上げることに成功する。
そしてそのサウンドは、この上なく甘美な陶酔感をもたらすもの、スリリングなインプロヴィゼーション、ミステリアスな音響系まで、ヴァラエティーに富んでいるが
それらは、拮抗することなく上手く溶け合ってアルバム全体を一曲のように聴かせる。
聴き所は、すべてと言いたいが、まず、ワイアットのドラムはもちろんの事、魅力的なファルセットのボーカル、(特に2のディレイをかけたスキャットが最高)静かなる破壊性を表現するようなメロトロン、デイヴ・シンクレアの甘美な毒を持ったオルガン、フィル・ミラーの個性的で癖になるフィンガリング。シンクレアもミラーも実に個性的で優れたアーティスト。
そして忘れてはならない事は、マコーミックのベースである。
彼はキャリアに於いては、他のメンバーよりも浅いが、ダイナミックでセンシティヴなラインでこの恐るべき化合物を同心円の中に封じ込めて一定の視点を与える、言わばバランサーのように重要な役割を果たしていると思う。
後年、彼が参加するイーノ、フィル・マンザネラ、サイモン・フィリップスとのグループ<801>でも同じような役割を発見できる。知名度はそれほど高くはないが名手である。
この作品は、ワイアットのキャリアにおいても極めて重要なものなので、ワイアットに興味のある方は、このマッチング・モウルの1stから聴いてみるのが良いと思う。
問題作にして歴史的名盤。
インパクト 100
テクニック 100
ポップ性 90
コンセプト 100
センス 100
COWBELL